火災保険のハナシ
2010年04月21日
今年の1月から火災保険が改定されています。
値上げと思ってらっしゃる方も少なくない今回の改定ですが、純粋な値上げではなく改定なんです。
火災保険はその建物の所在地と建物の構造によって保険料が決められています。今年からその構造区分が変わりました。住宅工法の多様化により昨年までの4段階の基準では区分の判定が難しかったり、判定に時間がかかったりしていました。その判定と手続きを簡素化しようというのが今回の構造区分の改定です。
エアバックやABSなどの安全装備のついた車の保険料が安くなるのと同じで家も火災に配慮した建物を建てれば保険料が安くなります。今回の改定でM・T・Hという3つの構造区分に改定されました。M構造はマンションなどのコンクリートの建物です。T構造は耐火建築、H構造がそれ以外の住宅です。
戸建て住宅の場合TとHどちらに該当する建物か、それで保険料が大きく変わってきます。試算するとTの方がHの半分ぐらいの保険料で済むケースが多いです。
コンクリートの住宅やプレハブ住宅、2×4住宅などの住宅の多くはTにあたります。そして通常の在来木造建築はHになる場合が多いです。ただ、この区分の中で重要なキーワードがあります。
それは 「 省令準耐火構造 」 です。通常の在来木造建築でも梁や柱などの構造体をみせない作りにしたり、セルロースファイバー断熱のように耐火性に優れた断熱材を使用することにより 「 省令準耐火構造 」 とみなされ、T構造に区分されます。そうなれば通常の在来木造建築物でもコンクリート住宅などと同じ保険料率の適用が受けられます。
今回の改定により、以前は耐火建築物とみなされていた木造建築でALC板などのコンクリート板をはった建築物が今回の改定で耐火建築物ではないH構造に区分されました。それにより 「 値上げ 」 というイメージが先行していたということです。
ただ 注意しないといけないのは、必ず省令準耐火がいいとは限りません。確かに保険料は安くなりますが、省令準耐火仕様にすることでの費用面がアップする可能性やプランニングの制限が出てくる可能性もありますのでそれもしっかりと検討した上でのプランニングが必要です。
長期優良住宅やエコポイントなどの各種優遇政策もそれによりどんなメリットがあるかというだけでなく、それによって出てくる制限などもしっかりとお客様にわかっていただけるような提案をしていきたいと思います。
ご不明な点等ございましたら 何でもお問い合わせください
ぬまでした
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