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防蟻処理とホウ酸のお話し

 

 

 

白蟻・・・ 本当に嫌なものです。

住宅にとって一番の大敵です。

 

今日は色々ある防蟻処理の中から

ホウ酸についての話題です。

具体的にホウ酸のお話に入る前に・・・

 

Contents

防蟻処理の決まり

 

防蟻処理って大切なのはわかるけど

法律でどんな決まりごとがあるんでしょうか?

 

建築基準法

 

はい 建築基準法で定められています。

「地面から高さ1mの範囲の構造耐力上主要な部分」

この部分に防腐・防蟻の処理が求められています。

 

 

基礎の高さが大体地面から40センチ前後なので

土台含めて60センチぐらいの木部を処理するということになります。

 

防蟻処理をしなくていいケース

 

防蟻処理をしなくていいケースもあります。

ただ これはあくまで建築基準法上のお話しなので

実際しなくていいという意味はではないのでご注意くださいね。

 

・ 120角の構造材を使う

・ 外壁通気工法を採用する

・ 真壁づくりで軒を90センチ以上出す

・ 桧やヒバなど腐食に強い樹種を使う

 

このあたりの基準を満たすと

あくまで建築基準法上でのお話ですが

防蟻処理は要らないとなります。

 

今主流の薬剤での防蟻処理

 

今の家づくりにおいて

一番よく使われている防蟻処理方法は有機系の薬剤を使う方法です。

 

薬剤処理が一番多く使われている理由

 

色々とある防蟻処理のやり方の中で

薬剤処理が価格が一番安いこと

それが薬剤処理が一番多く使われている一番の理由です。

 

薬剤処理の問題点

・効果が5年間であること

基本的に薬剤の効果は最長で5年と言われています。

5年後に点検・再処理などすることもよくありますが

隠れた柱の中などの再処理は現実的には不可能です。

 

・基礎断熱工法との相性が悪い

 

 

基礎断熱と床下断熱を図示してみました。

床下断熱は断熱材を床下に入れるので

土台などの薬剤との縁はそこで切れるという考え方ですが

 

基礎断熱は基礎を断熱して床下断熱でいうところの床下空間まで室内という考え方をします。

室内を薬剤処理するという形になるので

薬剤が室内に揮発するということになってしまいます。

そこが基礎断熱との相性の悪さです。

 

ホウ酸について

 

前置きが長くなりましたが・・・

ここからが今日の本題のホウ酸のお話しです。

 

ホウ酸って何?

 

恐らくホウ酸と聞いてみなさん

思い浮かべるのは・・・

 

 

これですよね(笑)

 

ホウ酸はアメリカのカリフォルニア州や

西トルコの鉱脈で採掘される「ホウ酸塩鉱物」を精製して作られます。

ホウ酸は淡水、海水、すべての植物や土壌にも存在する自然素材です。

 

ホウ酸で防蟻処理をするメリット

揮発しない

 

ホウ酸は揮発しません。

揮発しないので防蟻処理して建物が完成した後に壁の中に隠れてみえなくなってしまう

柱などにも再処理の必要がなく安心して使えるわけです。

 

また揮発しないということは

空気を全く汚さないということなので

先ほどお話しした床下空間を室内と考える

基礎断熱工法との相性もよいとなります。

 

アメリカカンザイシロアリにも効果が

 

今までの日本のシロアリ対策ではなかなか

対応が難しかったアメリカカンザイシロアリ

そのアメリカカンザイシロアリにも効果があると言われています。

 

色々な虫に対して効果が

 

ホウ酸は白蟻の他にゴキブリや蟻、キクイムシにも効果があると言われています。

ゴキブリ対策のホウ酸団子があることからもゴキブリへの効果は明らかですね。

 

ホウ酸処理のデメリット

 

ここまで聞くと何も悪いことがない

防蟻処理の方法に思えますが・・・

 

デメリットもあります。

 

・水に弱い

 

ホウ酸のデメリット

それは水に弱いことです。

 

これはデメリットというより

施工上の注意点と言った方が適切なのかもしれませんが

 

ホウ酸を柱や土台などに施工後に

雨などに降られるとホウ酸が流れてしまいます。

全体の工程のどの部分に段取りを入れていくか

という部分に非常に気を遣います。

 

現場監督的な視点から言えば

薬剤よりも段取りに手間がかかる印象です。

 

・価格が高い

一般的な薬剤処理に比べると価格が高いです。

2倍~3倍以上の価格はすると思います。

 

 

まとめ

 

ここまでお読みいただき

 

 

今日は防蟻処理、そしてホウ酸処理についての話題でした。

シロアリの処理方法にも本当に色々なやり方があります。

各建築業者が色々な考え方や工法にあわせて決めていると思います。

 

家は大切な財産です。

処理してるから大丈夫というだけではなく

 

どんな処理をされているか?

というところにまで興味を持つことも大切かなと思います。