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気密測定って何?

 

今日の話題は気密測定についてです。

高断熱高気密住宅の「気密」の部分。

そこを実際に現場で測定するのが気密測定です。

 

Contents

なぜ気密が大切なのか?

 

どんなに断熱をしっかりとしても

家に隙間があってはその断熱の効果が発揮されません。

気密もしっかりとしてこその断熱となります。

断熱も気密も同じぐらい大切ということになります。

 

C値って何?

 

気密測定を語る上で大切な数値がC値になります。

 

C値=相当隙間面積

 

C値はどのぐらい家に隙間があるのかを示した数値です。

その家が1㎡あたりどれぐらいの隙間があるかを示します。

C値が低ければ低いほど隙間が少ない高気密な家ということになります。

 

C値の計算式は?

 

住宅全体の隙間の合計面積(単位はc㎡)/延床面積(単位㎡)

これがC値の計算式です。

 

一般的な住宅のC値は10c㎡と言われています。

C値は10ということになります。

次世代省エネルギー基準では5以下が気密住宅とされています。

 

気密測定は誰がしてくれるの?

 

気密測定技術者

IBEC(建築省エネルギー機構)http://www.ibec.or.jp/index.html

こちらの事業者登録と技術者講習を受けた気密測定の技能者さんによって

気密測定は行われます。

今回は以前換気システムでご紹介した

マーベックスさん https://www.mahbex.com/

にお願いしました。

 

 

気密処理について

 

実際の気密測定の現場を紹介していく前に

気密をよくするためにどんな処理をしているかをご紹介します。

 

外壁貫通部分の処理について

 

 

 

家の外壁部分には色々な穴があきます。

換気扇や電気の配管、またエアコンの配管などです。

通常は外壁が仕上がる前にエアコン配管用のパイプや

換気扇用のパイプやダクトなどを仕込んでおきます。

 

 

 

換気扇がつけばそこの穴は基本的にふさがりますし

エアコンがついて配管の穴を塞げばパイプの穴自体から

そんなに空気が漏れることはなくなるわけですが

問題はパイプの穴自体というよりパイプとパイプの周りの隙間になります。

 

穴をあけてそこにパイプを通すので例えば70φのパイプを通す場合

クリアランスゼロの70φではパイプが通らないので

何ミリか大きな穴をあけることになります。当然そこには隙間が出来てしまうので

そこの処理を何もしないとそこから空気が漏れる状況になってしまいます。

 

 

これが処理された状態です。

ゴムがついた部品を通してパイプを出し

そして周りを防水テープで処理をすることで

パイプと外壁の穴の隙間がなくなります。

 

外壁の防水用の商品になりますが

水を通さないということは

空気も通さないということになりますので気密にも効果があるということです。

 

基礎・土台まわりの処理について

 

 

これは基礎断熱の場合になります。

この場合、土台と基礎の間に入れているパッキン

そのパッキンを気密パッキンといって空気を通さないパッキンにしているので

そこは空気は通らないわけですが

+αとして断熱材を立ち上げた部分と土台の隙間を

ウレタンスプレーで処理をしています。

この処理に関しては気密のためということと断熱のためということと

2つの意味があります。

 

基礎貫通部分の処理について

※これも基礎断熱で基礎部分で気密を取る前提になります。

先ほどは外壁貫通部分の処理についてお話ししましたが

基礎には排水や給水、またガスなどの配管の穴があきます。

それも当然通す配管より大きめの穴をあけるので

その間から空気がもれないようにウレタンスプレーなどで処理をします。

 

気密測定の現場

 

前置きが長くなりましたが・・・

では実際の気密測定をどんな風にしていくかご紹介していきます。

 

どんな機械を使うの?

 

 

 

このラッパみたいな機械が気密測定をする機械になります。

窓のあるところに設置します。

ラッパの周りが目張りしてありますよね。

このようにしてこのラッパがついた部分以外は窓やドアなどが

開いていない隙間がない状態を作り出します。

 

この状態で圧力をかけていくとこのラッパがついた

部分以外からどれだけ空気が漏れたかというのを測定することで

この家の隙間がどのぐらいあるのかがわかり

それを示す数値がC値ということになります。

 

 

機械の先はこんな形です。

ここに色々な数値が表示されていきます。

 

圧力をかけるということは隙間がある部分は

空気の流れを感じるということになるので

 

 

例えばもし写真でチェックしている

桁と合板の間に隙間があればそこで空気の流れがわかるので

そこを塞ぐと数値がよくなります。

 

何が言いたいかと言いますと

ある程度早い段階、まだ処理ができる段階で気密測定をするということが

大切ということになります。

完成すれば当然このあたりは見えなくなってしまうわけなので

完成後の測定では数値はもちろんわかりますが

その数値に対しての追加の対策が出来ない場合が多いからです。

 

先ほどお話ししたパイプと外壁の隙間なんかも

当然後から処理することはできないわけです。

 

気密測定ができない家・現場

 

 

実は先ほどの機械で測定ができない現場もあります。

先ほどの機械の測定方法で圧力をかけて

漏れる空気を測定するとお話ししましたが

そもそも圧力がかからない現場というのもあるわけです。

 

そうです。隙間だらけの現場です。

そこからどんどん空気が漏れていくので圧力自体がかけられずに

測定ができない・・・という状況になってしまいます。

窓を開けてたら圧力がかからないのと同じですね。

 

もう1パターン測定できない現場があります。

これは現実的な話ではないですが・・・

そうです。隙間がゼロの現場です。空気が全くもれなければ

計測のしようがないよねとなってしまいます。

 

 

気密測定の結果

 

 

先ほどの機械から結果がこのように印字されてきます。

 

相当隙間面積 これがC値です。

この数字の見方としてはC=0.3c㎡/㎡

1㎡あたり0.3c㎡の隙間があるということになります。

建物外皮の実質延床面積はこの家の延床面積です。

総相当隙間面積は延床面積にC値をかけた

この家にどのぐらいの隙間があるかという数値です。

 

まとめ

 

今回は気密測定ということで気密部分にクローズアップしましたが

やはり大事なのはバランスです。

(殆どのブログこの〆になってますがでも実際そうなんです)

 

気密だけでもダメですし、当然断熱だけでもダメです。

気密も断熱も換気も、また夏場の日射遮蔽、そして冬場の日射取得

ここまでバランスよくやることで省エネな性能のいい住宅ができるということです。

 

お読みいただきありがとうございました!